羽毛布団打ち直し・リフォーム・羽毛ふとん

綿

羽毛布団に適した素材のうち、側生地の肌触りや品質の高さを重視するのであれば、天然繊維の綿です。綿は一本一本の繊維の中に空気を含んでいて体温の熱を溜めやすく、暖かさを逃しにくいのが特徴です。繊維の隙間があることで通気性もよく、汗をかいても蒸発しやすいため、常にサラッとした使用感が維持できます。

綿の中でも特に繊維の長い超長綿はしなやかで丈夫であるため、寝具の側生地として最適です。また、超長綿は世界的にも一定の産地でしか収穫できないため、高級品として扱われています。

シルク

天然素材のシルクは、機能面で見ると綿にも劣らないほど側生地に適しています。吸湿性、放湿性に優れているため汗をかいても乾きやすく、静電気が起こりにくいので冬場でも気持ちよく使えます。滑らかな手触りと光沢のある素材感は他の追随を許しません。

ただし、シルクの大きな弱点として、耐久性の弱さが挙げられます。摩擦に弱く傷つきやすいため、うっかり穴があいてしまうと中の羽毛が飛び出てしまいます。タンパク質由来の素材なので虫に食われやすいのも難点です。

ポリエステル

布団の肌触りのよさを追求した場合、化学繊維のポリエステルは側生地には向きません。通気性が低く、吸水・吸湿性に欠けるためです。人間は一晩にコップ一杯の汗をかくといわれています。ポリエステル製の側生地では汗が吸収しにくく、蒸れて汗冷えの原因となります。また、静電気が発生しやすいのでホコリを寄せやすいという欠点もあります。ポリエステルは安価なため、お手頃価格で羽毛布団を手に入れられるという利点はありますが、快適な寝心地を求める方にはあまりおすすめできません。

レーヨン

木材由来のレーヨン系素材も機能的には側生地に適しています。木材のパルプを薬品で溶かし、細い穴から押し出して人工的に作られた繊維で、「再生繊維」として分類されています。レーヨンは綿より柔らかく、優れた吸湿・放湿性を持ちつつ、シルクに似た手触りと光沢を実現した素材です。

特にリヨセルは比較的新しい繊維素材で、計画的に植林されたユーカリから作られています。化学繊維でありながらシルクのように静電気に強く、シルクより強度もあるため次世代の側生地素材として重宝されています。ただし、シルクより丈夫であっても綿よりは耐久性が劣るため、取り扱いには注意が必要です。